陸の王者カマキリ

陸の王者カマキリ

カマキリほど一般的に知られている昆虫も少ないでしょう。誰しも名前や姿形ぐらいは知っているほどに身近な昆虫です。
カマキリと一口に言っても10種類近くありますが、どれぐらいご存知でしょうか?
また、手が大きな鎌の形状で怖そうですが、実は良い昆虫だったりするのは知ってますか?
今日はそんなカマキリについてご紹介します。

カマキリの種類

ハラビロカマキリ、コカマキリ、ハナカマキリ以外は、一見して区別をするのは難しいかも知れません。ハラビロカマキリはその名の通り腹の部分が広がっており、コカマキリは小型で色も茶褐色です。
いずれにしても、サイズは違っても姿形に大きな違いはありません。

オオカマキリ

ハラビロカマキリ

コカマキリの幼虫

水中の王者がタガメで陸の王者がカマキリ、と言われるほどに昆虫の食物連鎖の頂点の一角に立っており、コカマキリ以外は成虫になればまず、他の昆虫に食べられることはないと思います。
ただ“陸の王者”と言ってもカブトムシやクワガタムシなどの甲虫類と戦うことはまずなく、戦ったところで勝負はつきませんから、陸というよりも草原の王者としておきたいところです。

カマキリは益虫の中の益虫。絶対に殺してはいけない!

トンボやクモ同様、カマキリは益虫の中の益虫であり、どんなことがあっても殺してはいけません。一般に人間にとって有害な虫(蚊、ハエ、ゴキブリ、ダニなど)の最大の天敵はクモですが、農作物に害を与えるイナゴやバッタ類の最大の天敵がカマキリなのです。

カマキリの生息範囲は広いですが、田畑に生息することが多く、その場合は専らイナゴやバッタ類を捕食しているからで、言わば農作物の守護神です。
特にイネ科の葉を主食とするコバネイナゴをよく捕食することから、カマキリは稲作には欠かせない存在なのです。
カマキリなしには無農薬の稲作などは無理と言っても過言では無いです。

カマキリを捕獲するには?

カマキリの捕獲はそれほど難しくはありません。夏から秋にかけて、草むらや田んぼのあぜ道を歩いていれば、普通に遭遇します。それほど警戒心がなく、逃げるのも遅いため、容易に手掴みできます。
大型のカマキリになると、多少前足のカマの部分が痛いかも知れませんが、顎が小さいために噛まれることもまずありません。
下の写真に見られるように、それほど逃げようとする気配もなく、捕獲すれば虫かごなどの容器に移し替えても良いし、あるいは手で掴んだまま持ち帰っても構いません。

基本的な飼育方法

虫かごでも良いのですが、カマキリの細長い体型を考えると、少し動き回れるような縦長の容器がおススメです。自然界では草むらにいることが多いのですが、中には壁伝いに高い場所へ上ったりもするからです。
大きめの植木鉢に縦長の洗濯網をかぶせて、身を隠せるように草を植えたり、枯れ木を差したりして上下に移動できるようにしたいものです。
草はイネ科の植物やススキなど、細長い葉のものが良いでしょう。
カマキリの卵は草木や壁に産み付けられますので、土は必ずしも必要ではないのですが、草木を入れることを考えると土も必要不可欠になります。
比較的生命力の強い昆虫なので、餌さえ与えておけば放っておいても大丈夫です。

こんなものまで食べる?驚くべき食生活

さて問題はその餌で、簡単なようで難しく、難しいようで簡単なのがカマキリの餌やりです。生餌を捕食する形でしか食べないというのが特徴で、しかも生きて動いている物しか餌の対象にならないのです。
簡単と言えば簡単で、バッタやイナゴ、その他何でも小型の虫を放り込んでおけば、気が向いた時に捕食します。難しいのは、他の肉食の昆虫と違って、自分で捕食したものしか食べないこと。虫の死骸やミルワームなどでは代用が効きません。
幸いイナゴやバッタはカマキリとほぼ同時期に活動しますので、先に死滅してしまうことはありません。なのでイナゴやバッタを捕獲できさえすれば何の問題もないのですが、それができない場合はちょっと大変かも知れません。

動くものしか食べないという点ではカエルもそうで、糸の先に餌を付けて顔の前で動かしてやるとカエルは食べてくれます。しかしカマキリは両足で捕食しないと食べてくれませんので、餌の形状などにかなり神経を使いそうです。
一点気を付けたいのは、カマキリが食べている時は、できるだけそっとしておくことです。脅かしたりすると、食べ始めた餌を放り出し、一旦食べるのを止めたものを二度と口にしないからです。

恐るべきはその食べ物の範囲で、バッタやイナゴ類を食べるようなイメージが一般にありますが、これはバッタやイナゴの絶対数が多く、必然的にカマキリの周辺に沢山いるので餌食となってしまうだけのことで、実際にこれらを特に好んで食べているとは思えません。

極端に言えば生き物何でも良く、スズメバチも捕食の対象です。

さらに驚くべきものまでも捕食したりします。大型のオオカマキリになると、何と小型のネズミや蛇までも捕食します。マムシの幼体ぐらいであれば、大型のカマキリの餌食に十分なり得ますね。

メスがオスを食べる理由

メスがオスを食べるのは有名ですよね。しかし知っておいて頂きたいのは、何もカマキリだけがこの習性を持っているわけではないということです。
ジョロウグモなどもメスがオス(オスはメスに比べてはるかに小さい)を食べますし、キリギリスも共食いという形でメスがオスを食べることはあります。
逆にオスがメスを食べることはありません。
カマキリにおいてそれがより知れ渡っているのは、他の虫よりも頻度が高いからだと思いますが、なぜそうなるのかと言えば、カマキリの方が餌の対象が幅広いからです。

同じカマキリだという識別能力がほとんどないことが最大の理由でもあります。
極端に言えば、近くにいる動くものは何でも餌となり得るわけです。
なので交尾のために寄って来たオスが餌食となるのですが、キリギリスやクモ同様、メスの方が身体が大きくて獰猛なので、オスは到底メスには力で敵わないのです。

産卵と孵化

先にも述べました通り、カマキリは草木や家の壁などに産卵します。
ちょっと見たところ泡の塊のような形をしています。

この状態で冬を越すわけですが、特に何かをする必要はなく、春まで放っておけば良いのです。飼育下においては、極端に乾燥しないよう、たまに霧吹きで水を吹くと良いでしょう。
春先になると、この卵から何十匹もの幼虫が孵化します。
幼虫の餌が大変で、カマキリは完全な肉食性ですから、花びらなどは食べません。
生れた頃から生餌が必要となるのですが、可能であればアブラムシの付いた草を取って来て、カマキリの容器に入れておくのが良いでしょう。
また虫を飼育していると必ずコバエが発生しますので、これを駆除せずに放置しておけば餌にもなります。
あとはハエや蚊、バッタやイナゴの幼虫などを見つければ、手当たり次第に頑張って捕獲して餌にして下さい。
肉食の昆虫は多数で飼うと必ず共食いをしますので、これを避けるには小分けにするしかありません。
カマキリについても同様です。

まとめ

カマキリは非常に美しい姿形や色をしていると思いませんか?
多少餌やりが大変かも知れませんが、飼いやすい昆虫で、一切人間に害はありません。
何なら部屋の中に放しておけば、ハエなどを食べてくれるかも知れません。
警戒心が薄いため、昆虫としては珍しく手に乗せることもでき、一見懐いているかのような印象さえ与えます。
このように手の上に乗ってじっとしていると、何とも可愛さが込み上げて来ます。
是非この可愛さを体験して頂きたいものです。

 

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