キリギリスの捕獲から産卵まで

キリギリスの捕獲から産卵まで

真夏の野原で「チョン・ギース」と鳴いている虫、キリギリス。名前ぐらいは誰でも知っているキリギリスですが、その生態を知る人は少ないと思います。
自然界では6月末から7月にかけて成虫のオスが鳴き始め、遅くとも10月中旬には全て死に絶えてしまいます。
雑食性ですが、肉食の傾向が強く、基本的には他の昆虫を捕食します。あごの力が強いので、噛まれると相当に痛いです。
真夏を感じさせてくれる虫の鳴き声は沢山ありますが、キリギリスの鳴き声は特に風流で日本の夏らしいものです。そんなキリギリスについて、捕獲から産卵までを紹介します。

キリギリスの捕獲に挑戦しよう!

キリギリスの寿命は2~3か月と短いものです。
自力で捕獲するしかありませんが、これがなかなか難しいです。
特にオスは警戒心が強く、鳴いている場所に近づくと、すぐに鳴き止んでしまいます。しかも一旦鳴き止むと、再び鳴き始めるまで相当時間がかかります。その上、草と同じような保護色をしていますので、相当に慣れていないと簡単には見つけることが出来ないのです。

それだけに捕獲した時の喜びはひとしお。基本的には草の上、あるいは茎に止まって鳴いていることがほとんどです。足音忍ばせて近寄り、手掴みで捕獲も可能ですが、成功率を上げるためにも虫捕り網を効果的に使いましょう。
頭上から来る鳥が天敵ですから、危険を感じるとキリギリスは下へ落ちるような感じで逃げます。

一旦下へ落ちるとまず見つけるのは不可能です。
なので捕獲のコツは、鳴いているキリギリスを発見したら、その下の方へ網をそっと持って行き、そこへ落ちるように仕掛けることです。
これに対してメスは鳴きませんから、オスと同じように捕獲はできませんが、だいたいオスのいる周辺の草むらにメスもいますので、草むらを歩いてメスが跳ねるところを捕獲しましょう。

噛まれるとかなり痛いので要注意です。特にメスのほうが一回り大きく獰猛なことが多いですよ。


捕獲したキリギリスと餌のイナゴ


キリギリスのメス

基本的な飼育方法

捕獲に成功したら飼育を始めましょう。
大きめの水槽に土を入れて植物(何でも構いません)を植えます。あるいは植木鉢に洗濯ネットを被せて虫かごのようにするのも良いでしょう。要は土を敷いて、身を隠せるような植物を植えてやれば良いのです。
一点注意が必要なのは、ネットを被せる場合、目の粗いものだと後ろ足がすっぽりと嵌ってしまい、驚いて自分から足を切ってしまうことがあることです。

メスが地中に産卵しますので、土は不可欠です。

個体差がありますが、生命力の強いオスは捕獲して来て、新しい容器に入れ替えるとすぐに鳴き始めます。
特に不思議なのは、自然界では足音を忍ばせて近寄ってもすぐに鳴き止むのに、一旦家で飼い始めると警戒感が薄れるのか、ほとんど鳴き止みません。
更に、昼行性で自然界では夜には鳴かないのですが、家のベランダなどでは一晩中鳴くので不思議です。
これにはベランダの温度が夜になっても余り下がらないことなどが理由として考えられるのですが、詳しいことはまだわかっていません。

餌は生餌が基本!

キリギリスやバッタ類の餌はキュウリやナスなどの野菜類と思われがちですが、キリギリスは肉食性が強く、野菜や果物も食べますが、基本的には他の虫を捕食します。なので餌探しが少し大変です。
自然界では主にバッタ類やイナゴ類を食しますが、中でもショウリョウバッタを最も好むようです。


ショウリョウバッタのオス

元気なうちは、特にメスは一日に何匹も食したりしますので、キリギリスを飼育すると餌のバッタやイナゴ捕りに追われます。入手困難な時は他の虫でも良いし、それもいなければミルワームなどで凌ぐのが良いでしょう。肉食性の強い個体ほど長生きするとも言われます。

野菜や果物も併せて与えると良いでしょう。野菜類で最も好まれるのは玉ねぎや人参ですが、玉ねぎは匂いがつきますので、人参をおススメします。

上の写真のように、細かく刻んで与えると食べやすいですよ。
果物類ではリンゴが一番です。
野菜や果物から水分を摂取するため、水をこまめに与える必要はないのですが、2日に一度ぐらいは霧吹きで吹くのが良いでしょう。

産卵と孵化

オスとメスを飼っていれば、必然的に交尾をしてメスが産卵します。産卵管を地中に差し込んでコメ粒ほどの大きさの卵を15~20個ぐらい産みます。

成虫は自然界では遅くとも10月一杯で死に絶えますが、飼育下では11月から12月初めまで生き延びることもあります。

卵の入った土は極端に乾燥させなければ、そのまま放っておいて構いません。場所にもよりますが、早いところでは3月後半にもなると、孵化を始めます。孵化当初はコメ粒ほどの大きさで、手で掴むのは一苦労です。何十匹も孵化しますので、これを拾い集めて水槽に移し替えます。

生まれたての幼虫は花粉や花びら、雄蕊(ゆうずい)などを食べますので、タンポポやハルジオン、ヒメジオンを摘んで来て与えます。タンポポはすぐに萎びてしまうので、ハルジオンがおススメです。


タンポポの花を食べるキリギリスの幼虫

もう少し大きくなると肉食が強くなるため、アブラムシなどを与えますが、それが難しい時はミルワームで代用します。
一旦肉食性が現れると共食いを始めるため、仮に60匹、70匹生れても最終的に成虫に至るのはせいぜい15~20匹程度です。この辺りが難しいところで、もしもっと多く成虫にまで育てようと思うのであれば、早い段階から幼虫を小分けにしなければなりません。
ただある程度の大きさになると、小さい水槽では脱皮がうまく行かないため、大きな容器に移し替える必要があります。

例えば下の写真のように、大きめの植木鉢にネットを被せれば、上下に空間ができるため、各個体が縄張りを持ちやすくなります。

上の写真ぐらいの大きさにまで成長すると、各個体が強くなっていますので、共食いはほとんどしなくなります。

キリギリスは真夏の炎天下で活動する虫ですから、容器は外の日当たりの良い場所に置けば良いのですが、真夏は暑過ぎますから中に草が入っていないと陰ができず、必ず草や木など身を隠せるようなものを入れましょう。


ショウリョウバッタの幼虫を捕食するキリギリスの幼虫

早ければ6月頃にも成虫になりますが、成虫になっても10日~2週間ぐらいは鳴きません。辛抱強く待ってみて下さい。

まとめ

いかがでしょうか?
肉食性で餌が少し大変かも知れませんが、キリギリスの鳴き声は美しくて力強く、最も夏を感じさせてくれる昆虫です。
噛まれると痛いですが、非常に均整の取れた美しい身体をしています。
日中活動するため、夜行性の鈴虫やコオロギなどと違い、鑑賞用にも適していると言えましょう。

 

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