高齢者とペットの共存のために考えること【前編】

最近では、高齢者とペットの共存が注目されています。
ペットにふれることによって、脳からでるオキシトシンが人の心と身体に心地よさを与え、不安を和らげ、さらには積極的に他の人と関わろうという気持ちになる効果があることが分かってきたからです。

実際「幸せホルモン」といわれるオキシトシンは高齢者の生活に大きな影響を与えています。
老人ホームにセラピー犬が訪れ、犬と触れ合うことによって今まで表情が乏しかった方に笑顔が戻り、また自分の方からセラピー犬に話しかける方もいます。
ペットと一緒に暮らせる老人ホームではペットと暮らせることが高齢者の生きる力、また穏やかな心でいられることが証明されてきています。

ところがその一方で、自宅で高齢者がペットを飼うことに関しては問題視され、飼うことに消極的になり、高齢者の孤独感が増している現状があります。動物と暮らしたい高齢者にとって本当につらい状況です。どのようなことが問題視されているのでしょうか。解決策はあるのでしょうか。

今回はこの問題について二回に渡ってお伝えしたいと思います。

前編では日本が抱える高齢者とペットの共存が難しいとさせる問題点について、後編では海外で成功している例から私たちが学べる点についてご紹介します。

後編はこちら

高齢者がペットをあきらめる理由

高齢者がペットをあきらめるという選択をする理由は、高齢者自身が「ペットを最後までみてあげられるか分からない」という不安が一番大きいようです。特にひとりで暮らしている方にとって、ご自身の病気による入院、特に緊急の場合などは、自分ではどうすることもできないので残されたペットはどうなるのだろうと心配です。
また老犬になった時、自分も年を重ねているので毎日のお世話をしてあげられる自信がない。という声もあります。

高齢者の生活スタイルや家族構成によって、あきらめる選択をする理由は様々です。
ですが、共通しているのは「もしもの不安」。ペットを飼うということは、これから十数年共に暮らすということです。ですからこのような気持ちを持たれるのは当然といえます。
この「もしもの不安」を別の見方をするなら、「高齢者が命を預かることを大切に思っていることの表われ」と言えるのではないでしょうか。ですから高齢者の方々のペットを飼う環境が整えばとても大切に育てられるのではないかと思います。

高齢者がペットと共存できるためのサポート

では今、このような不安を持っている高齢者が安心してペットと暮らせるサポートにはどのようなものがあるのでしょうか。

例えば、家でペットと暮らす高齢者のために往診してくれる動物病院があります。実際ペットと暮らしていて困っていることの中に、足腰が悪くなったため、また車の運転をやめたことでペットをなかなか病院に連れて行ってあげられないという声が多数あります。こうした声に応えて往診してくれる動物病院が増えていけば高齢者の方は安心ですね。

また介護を受けている高齢者の方にとって困っているのが、介護サービスにはペットの世話が含まれていないこと。心の支えであるペットの世話をお願いできたら、高齢者の方の心の負担も軽くなるはずです。
市民活動グループの中には、こうした困った方のために新しいサービスを始めたところもあります。動物看護師、ペットシッター、トリマーなどの動物関連の資格や介護資格を持ったスタッフが自宅に来て、心配に思っていることを代わりに行ってくれるというものです。

行けなかったお散歩に行ってもらうだけでなく、トリマーさんによって可愛くなったペットを見るなら、高齢者の方も喜んで、笑顔がほころびます。何よりペットとできる限り一緒にいることを共に考え、サポートしてくれる人がそばにいてくれたら高齢者の心の大きな支えになると思います。

まとめ

日本の平均寿命は男性81歳、女性87歳、健康寿命(介護を必要とせず元気で暮らせること)は男性71歳女性74歳。60代からリタイヤされ新しい生活を考えておられる方、70代から意欲を持って新しい事にチャレンジしておられる高齢者の方も多くいらっしゃいます。

今は人生100歳の時代。高齢者が健康で心豊かに暮らすためにも、また動物保護の観点から考えても高齢者とペットが安心して暮らせるサポートを考えるのは今とても大切なのではないでしょうか。
そこで次回は、ペット先進国であるアメリカで世界から注目されている高齢者とペットの共存するための施設から、その施設の特徴、仕組みなど、私たちがどんなことを学べるのかお伝えしたいと思います。

avatar
  メールで受信  
最新 古い順
通知する
trackback
高齢者とペットとの共存のために考えること【後編】 - きゅーぺっつ

[…] 前編はこちら […]

きゅーぺっつのおすすめ記事をよむ

人気記事ランキング

一番上へスクロールするボタンを有効または無効にする