猫島

日本には猫と共に暮らす島がたくさんあります。
島の人と猫。それは昔から変わらない風景です。

ところが最近これらの島は「猫島」と呼ばれ、「猫たちに会いたい!」という人々が日本だけでなく、世界からも観光に訪れるようになりました。

平穏な生活を送っていた島の人たちと猫たち。彼らを取り巻く環境は変わりつつあります。

今「猫島」ではいったいどんなことが起こっているのでしょうか。「猫島」の今をお伝えしたいと思います。

 

猫の楽園といわれる青島

猫島と呼ばれる島の中でも瀬戸内の小さな島「青島」は特に注目され、一躍世界的に有名になりました。そこは暮らす島民の数よりはるかに多い猫たちが暮らしているからです。数年前までは15人いた島の人たちですが、今では3世帯6人の島民が住んでいます。

猫たちはというと200頭を超えています。島といっても大きさは様々。ここ青島は東京ドームとほぼ同じ大きさの小さな島です。島のほとんどが山なので、実際暮らしている地区は港の周辺のわずかな平地で、そこに島の人たちと200頭を超える猫たちが暮らしています。

 

猫の楽園の危機

あたたかな日差しを浴びてまどろむ猫たち。その向こうには澄み切った青空と広がる海。「島」と「海」と「猫」。どこに行ってもインスタ映えしそうな場所ばかり。観光で訪れた人々は思う存分猫と戯れ、写真を撮って、癒されて帰っていきます。
一日二便しかない定期船は週末休日ともなるといつも満員。乗れないこともあるそうです。

今は島民の方々6人で、200頭を超える猫たちの世話をしていますが、心配していることがあります。それは皆さんご高齢なので「この先猫たちの世話をする人がいなくなったらどうなるのか」ということ。

また猫は「子殺し」といって、自分の子孫を残すために他のオスの子どもを殺してしまうという習性があり、島のあちこちで犠牲になっている子猫の姿や、オス同士のけんかなど、狭い中での争いが絶えないことも心配しています。そこでみんなが穏やかに暮らせるようにひとつのプロジェクトが行なわれることになりました。

 

島の猫たち『さくら猫』になる

そのプロジェクトの名前は「青島ごとさくらねこTNRプロジェクト」。目的は青島にいるすべての猫を一斉に手術してこの島の猫たちが安心して暮らせるようにすることです。2018年10月、愛媛県大洲市と動物愛護団体「公益財団法人動物基金」が協力し、たくさんのボランティアさんと共に実施されました。

『さくら猫』というのは、飼い主のいない猫に不妊去勢手術をした証として耳の先をV字カットされた猫のことをいいます。TNRは(Trap捕獲してNeuter不妊去勢手術を行った後Return元の場所に戻す)という意味です。

当初、5日間を予定していましたが、島に入った翌日台風の影響で船が出せない可能性があり、市の職員、獣医師さんたちはもちろん、ボランティアの多くの方々も島に残ってその日のうちに手術を終わらせることになりました。どのように行うのでしょうか。

まず、用意したゲージに人慣れした猫を入れていきます。警戒心の強い猫は捕獲機にエサを置いておびき寄せます。ワクチンやノミ駆除投与済みの猫は翌日再度捕獲しないようしるしをつけ、そして手術に備えて麻酔を打ち、先にさくら耳カットをします。

その様子は手術中も含めて、観光客の人たちが自由に見学できるようにしました。そして手術が終わった猫たちは麻酔が覚めるまでゆっくりゲージで休みます。その間彼らのデーターを記録していきます。手術ができないほど小さな子猫たちは、参加した愛媛県内のボランティア団体が保護して里親を探すことになりました。

こうして多くの人々の手で青島の猫すべてがさくら猫になりました。また、この様子はとても珍しいことなので、国内外のメディアが取り上げ、猫の避妊去勢手術の大切さや「さくら猫」の存在を伝える良い機会となりました。

 

まとめ

島の人と猫。今日も猫たちは島のあちこちでのんびりひなたぼっこしています。何も変わらないように見える風景、でも以前と変わったことがあります。それは猫たちの間に争いがなくなったこと。「気のせいかみんな今まで以上に穏やかになったように見える」と島の人はいいます。

穏やかでゆっくり時間が流れる「猫島」。この島の風景は島の人々、島の猫たちを大切に思うたくさんの人たちの支えがあって守られています。人のぬくもりを感じます。そんなあたたかなぬくもりに包まれた島と猫たちに会いに行ってみたいですね。

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