愛犬が散歩中に、公園の芝生やちょっとした草むらなどで突然寝転がり、お腹や背中を地面にこすりつけるしぐさをすることはありませんか?
犬を飼っていない方でも、そうした行動をしている散歩中のワンちゃんを見かけたことがある、という方は意外と多いのではないでしょうか。
この行動には一体どのような理由があるのでしょうか?
犬が草むらで体をこすりつける理由とは?
散歩中やドッグランの芝生などで突然寝転がってゴロゴロと体をこすりつける行動には、主に4つの理由があると言われています。
- 理由1~自分好みのにおいがするため
シャンプーをして体をきれいにし「いい香りになったね」と思っているのは、実は飼い主さんだけかもしれません。犬にとっては、嗅ぎ慣れていないシャンプーの香りが不快でしかない場合も多いのだとか。
そのため、自分好みのにおいがする場所を見つけると、寝転がってゴロゴロし体ににおいをこすりつけてシャンプーの香りを消すのが理由と言われています。自分本来の体のにおいを取り戻そうとする行動なのではないかとも考えられています。
- 理由2~「自分の物」という意思表示のため
「この場所は自分の場所」「自分のお気に入りの場所」という意思表示のために、自分の体のにおいをこすりつけているのではないかという説です。この行動は、室内で新しいマットやおもちゃに自分のにおいをつけたがるのと同じ意味があると言われています。
- 理由3~体の不快感をとるため
アトピー性皮膚炎や炎症している部位がある場合など、体の不快感を取り除くために体をこすりつけていることもあるようです。散歩中だけではなく室内でも、違和感があるほど体をこすりつけていたり、時間が長かったりする場合には、病気の可能性もあるためかかりつけ病院の獣医師に相談しましょう。
- 理由4~単純に楽しくて気持ちがよいから
楽しくてテンションが上がっているときや、草むらの感触に心地よさを感じるときにも転がって体をこすりつけることがあります。こういった場合は、わかりやすいくらい気持ちよさそうに転がっています。満足感を体全体で表現しているような感じです。
野生時代の名残も関係している
犬の祖先でもあるオオカミは、草に残っている他の動物のにおいを、わざと自分の体にこすりつけることで自分のにおいを消し、狩りの成功率を上げて生き延びるための工夫をしていたんだそうです。また、体に獲物のにおいをつけて巣に帰り、仲間に獲物の情報を伝えるためだったとも言われています。
狩りをする習慣がなくなった現代の犬にも、その本能が残っているのではないかと考えられています。汚れていそうな場所で寝転がりたがるのも、本能の名残によるものなのかもしれませんね。
草むらに体をこすりつける行動はやめさせるべき?
犬の本能や習性で行っていることが多いため、基本的にしつけの必要はありません。ストレス発散にもなっているので、無理にやめさせるとかえって体調を崩してしまう可能性もあるからです。犬の好きなようにさせてあげましょう。体をこすりつけた後は、ダニや汚れがついていないかを確認し、ブラッシングをして体を拭いてあげてくださいね。
やめさせた方がいい場合
- 他の動物の排せつ物がある場所
感染症の原因になる場合があるからです。排せつ物がないような場所でならよいですが、草むらで寝転がるのが好きな子は特に注意してあげましょう。万が一寝転がって排せつ物がついてしまったらすぐにふき取って洗ってあげてください。
- 除草剤が散布されているような場所
健康被害を及ぼす可能性があります。除草剤がまかれている場所はないか、普段から散歩コースをよく確認しておくと安心です。
やめさせたい時の対策法はあるの?
本能や習性からくる行動をやめさせるのはかなり難しいしつけと言われています。散歩中であれば、寝転がりそうになったら少し強めにリードを引っ張る、「ダメ!」と大きめな声ではっきりと伝える、などのしつけを繰り返して覚えさせましょう。ドッグランや広い場所では難しい場合があるので、帰る時に汚れていないかを確認してください。
まとめ
散歩中の草むらやドッグランなどで、突然寝転がって体をこすりつける行動にはさまざまな理由があります。安全な場所かどうかは飼い主さんがきちんと確認するとして、気のすむまでゴロゴロさせてあげるのが良さそうです。ゴロゴロした後のダニや汚れの確認、ブラッシングは忘れずにしてあげてくださいね。