引退した盲導犬の生活は?

皆さんは盲導犬が引退した後の事ってご存知ですか?
盲導犬は一定の年齢になると、長く連れ添ったパートナー(盲目者)とは別れて、第二の人生を歩んでいきます。
今回の記事では、盲導犬の引退の目安は何年なのか?引退後はどんな生活を送るのか?についてお話させて頂きます。

盲導犬の引退の目安は?

盲導犬の引退の目安は一般的に10歳からになり、それは大型犬では人間の年齢に例えると60歳にあたる年です。
盲導犬は子犬時から人間社会のルールを覚えるために、パピーウォーカーと呼ばれるボランティアを行っている一般家庭で厳しい訓練をせずに愛情たっぷりの生活を送ります。パピーウォーカーが子犬を育てる期間は、生後2ヵ月から10ヵ月間の間のみになり、その期間に人混み・電車や車の音・春夏秋冬の季節を感じるなど様々な体験をして、人間社会を学んで行くのです。

1歳を過ぎるとパピーウォーカーとお別れして、盲導犬になるための訓練をするために訓練センタ―に戻ります。そこでは盲導犬に必要な知識を毎日少しづつ学び、最後の訓練では自分のパートナーとなる目の不自由な人と一緒に歩くなどの共同訓練を受けるのです。

訓練を終了して目の不自由なパートナーを支えるために、盲導犬は1日24時間休まずに働きます。健康に問題を抱えた子達は早くに引退する子もいますが、平均して10歳頃には盲導犬を引退し、普通のペットに戻る事ができるのです。

引退後はどうなるの?

盲導犬を引退すると、目の不自由なパートナーと一緒の生活をすることはできなくなります。10年近くの間1日24時間働き続け、社会貢献してきた盲導犬は決して殺処分されることなく、引退した後は3つの選択の中で残りの生涯をペットとして過ごす事が出来ます。

  1. 子犬の時に育ててくれたパピーウォーカーの元に戻る。
  2. 「引退犬飼育ボランティアを行っている人の家族」として新しい生活を送る。
  3. 「盲導犬の里富士ハーネス」という施設で仲間たちとのんびり過ごす。

引退犬専用施設「盲導犬の里富士ハーネス」では、元パートナー(盲目者)が様子を見に来ることもできます。
※盲導犬の里富士ハーネスとは老人ホームの様な施設になります。

盲導犬は不幸なのか?

盲導犬が引退する目安は10歳からとお伝えしましたが、健康上問題なければ11歳・12歳まで現役で動いている子達も多くいます。盲導犬は、犬の本能である他の犬達と遊ぶことや、マーキングをするためにオシッコを自由にすることも、自由に走り回ることも、10年以上「本能と感情を押し殺して」私達のために尽くしてくれているのです。

このことから、盲導犬のあり方について「盲導犬が一生を休みなく働き続けるのは不幸ではないか?」などの意見も出てきています。
引退後の盲導犬を引き取ったあるボランティア家族は、元盲導犬をペットとして過ごしていくうちにこう思ったそうです。「この子を家族の一員に迎えて思ったのが、今まで肉体的にも精神的にも大きな負担がかかっていたんだということです。」今まで我慢していた犬の本能を我慢する必要がなくなったことに対して、戸惑いと喜びの表情を見ることが出来るからです。

長年犬の本能を押し殺してきた盲導犬は、「短命である」と言われていますが、日本獣医生命科学大学獣医学部の「盲導犬の平均死亡年齢について」の発表によると年々盲導犬の寿命が延びつつあり、2000年代に入ってからは盲導犬の平均寿命は13歳7カ月であり、家庭犬の平均寿命より高いことが分かっています。
寿命が長くなる理由としては、献身的なケアによるものでしょう。
寿命に大きく左右される要素とは「室内飼いか外飼いの違い」「食生活」「健康管理」大まかにこの3つになります。
一般家庭の飼育と違い、盲導犬はこの3つを徹底して管理されている事により長生きなのでしょう。盲導犬は長い間、犬の本能を押し殺して私達のために寄り添ってくれています。そのことについて「可哀そう」と思うかもしれませんが、盲導犬は無くてはならない存在です。

少しでも幸せに盲導犬たちが暮らせるように、盲導犬引退後は愛情と感謝の気持ちをもって接し、できれば盲導犬のリタイアウォーカー(引退した盲導犬を引き取る)のボランティア活動などを行ってくれる人達が増えてくれることを願いたいと思います。

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