ペット用として開発されたお薬について

10月も半ばを過ぎました。もう年末はすぐそこですが、今回は薬に関してのお話にしたいと思います。
先日、動物病院からもらったお薬はすべて動物用だと思っていた!と言われる方のお話を聞いて、そう考えるのも当然かと思いました。

動物病院からのお薬はすべて動物用として作られていません。ほとんどは人間用を体重で計算したりしているものなので副作用などの試験はされていません。
そこを基本的に頭の隅っこにおいておいてくださいね。

今回のお薬のお話はペット用として開発されたお薬について書いております。

薬の性質、薬の量と治癒力

本日は薬について書いていきます。よくあるご相談の中で「この薬を服用していたら治りますよね?」というご質問をいただきます。これはペットも人間も同じですが、今その薬を服用することによってかかっている病気が徐々に良くなっていくように薬は処方されています。

しかしまれに、効果のない場合もあり、個人差があるので絶対とはお答えできません。治るというと弊害があるかもしれませんので、「徐々に回復にむかっていく」とお答えすることはあります。

薬の量と治癒力

なぜこのようなお答えしかできないのかは、もう皆様よくご存じかと思いますが「薬は病気を治すための体の機能を助ける」ものです。薬が病気を治してくれるわけではありません。

一番身近な薬としては風邪薬でしょうか。これは風邪薬がウイルスを抑えている間に体が回復するのを待つことから治ります。風邪は免疫力が下がるとウイルスに抵抗できなくなった体がやられてしまってかかる病気です。抗生物質が処方されることが多いですが抗生物質はウイルスを死滅させるわけではなく、ほかの臓器やその他の疾患にならないように予防しているだけなのです。
なので同じ病気の方に同じ医薬品を使用したとしても、治癒の早さや治癒の仕方は個々で差がでます。

量を増加させることによって効き目が強くなることはありません。副作用の発現率も高くなりますし、臓器に大きなダメージを与えてしまうこともあります。
またほかのお薬を服用されている方は、そのお薬によっても変わることがありますので、きちんと処方された分だけを服用するようにしてください。間違って多く服用することによってとても怖い結果となる可能性もあります。

たとえばパーキンソン病は薬を多く服用することによって症状が悪化します。ひどくすると圧迫骨折になりかねません。また薬を忘れてしまうだけならまだ1日の間に補うことができますが、今は良くなっているから服用しなくても大丈夫だろうという予測もやめましょう。

もちろんそれが大丈夫なお薬もありますが、きちんと服用しないことによって変な耐性がついてしまい、次回服用したときには効果が半減してしまうものもあります。これは特にてんかんなどはそのように薬が効果なくなってしまう薬のひとつです。

「てんかん薬」は発作をおさえる薬ではありません。
てんかんはペットにも多い病気のひとつですが、薬を服用することによって安定します。人間の場合には血液検査をしたり、定期的に病院へ通うことになっていますのであまり問題になることもありません。

しかしながら、ペットの場合には定期検診にいかなかったり薬をやめてしまったりすることが一番多く、また発作が起こった時に病院へ連れて行ったり、薬をのませはじめたりする方が多くいらっしゃいます。

「てんかん薬」は発作をおさえる薬ではありません。発作を起こす原因となる電気の伝達のようなものをコントロールしてくれるだけなのです。わかりやすくいえば電気のスイッチみたいなものです。なので発作が起こったときにはすぐに効果があるわけでもなく、危険な状態になることもあるのです。

薬の耐性

実際に耐性というのは簡単にいえば「慣れ」です。菌やウイルスがその薬に慣れてしまって効果がなくなる、もしくは半減してしまうことをいいます。なので本来薬のもつ力というものがきちんと発現しません。そうなると病気が治りにくくなったり、免疫力が低下して体力が落ちている場合には病気が併発する場合があります。

たまにニュースなどを聞いていると「肺炎を併発して・・・」と報道されているのをお聞きになったことがあると思います。あの場合には薬は服用していてもそれがなかなか効果があらわれずにほかの病気(ここでは肺炎ですが)になってしまうということなのです。

今後病院にかかってお薬を処方された場合には、適正な量を適正な分だけ与えてください。少しでも気になったり、不安なことがあるときは自分で判断せず、獣医さんに相談するようにしてください。私たちもペットも同じですが、すぐに薬に頼ることは極力控えて、必要な時には用法・用量を守るように心がけてください。自分自身の力で免疫力を高めてき、健康な体で日々過ごしていくことを目標にしたいですね。

 


ライター:黒田さおり

薬剤師の資格を有し、動物を専門に栄養食やサプリメントを研究・開発をしている。海外の情報も積極的に取り入れ、自身で商品調達を行うこともある。

黒田先生がオススメの栄養食やサプリメントは、いぬねこサプリ.com から。


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