知られざるメダカの世界

今注目を集めている”品種改良したメダカ”をご存知でしょうか?10年ほど前から少しずつ人気が出始め、あっという間に広まってきました。中には数10万円~100万円以上のメダカも出てきています。
そんな品種改良されたメダカの世界を覗いてみましょう。

メダカという生き物

世界のメダカと比べて

世界にいる日本メダカの仲間は、日本メダカを含め14種類ほどで、それらはアジア諸国特有のものです。アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、オーストラリアなどの地域にはいません。日本メダカ以外のメダカはすべて熱帯魚の部類に入っていますが、世界のメダカは観賞用として取り扱うことはないようです。熱帯魚はその色の美しさや優雅さを楽しむために観賞されますが、メダカはそういった観賞用には適していないと思われているのでしょう。日本メダカ以外は耐寒性がないのも大きな違いです。

海水でも淡水でも生きられる!?

淡水で生活している魚は海水を飲み込むと水分を取られてしまい脱水症状になり死んでしまいます。しかしメダカは、真水から少量の塩分を吸収して、能動輸送という働きによって体液の塩分濃度が同じになるように保っています。よって少しずつ塩分濃度を上げていくと、腎臓の塩類を排泄する作用や、鰓にある塩類細胞が活発に働き、少しの海水なら生きていけるようになります。
このようにメダカは順応性の高い魚といえます。

メダカの体色変化と保護色

基本的に野生のメダカは水面の光を浴び餌を食べながら繁殖を繰り返します。黒メダカとヒメダカを一緒に入れておくと、ヒメダカが先に鳥などに狙われます。よって外敵に襲われないように体色を背地色に合わせて変化させます。
飼育されているメダカも、容器の色を黒や白に変えると体表に変化が現れます。体表の変化はメスの略奪争いや縄張り争いの時にも起こります。

  • メダカの色素胞
    メダカは魚の色素胞の中で赤色素胞のみなく、あとの黒色素胞、白色素胞、黄色素胞、虹色素胞で体色を示します。よって金魚のような鮮やかな赤色は通常のメダカではみられません。
     
  • 色揚げ
    メダカにはない赤色素胞を餌によって引き出す方法があります。赤色を表す色素はアスタキサンチン系の物質で、それを多く含む餌を与え続けることで赤色を引き出すことができます。

メダカの品種改良とは?

突然変異

野生の黒いメダカから、色素胞の変化や環境の変化などで細胞にメラニン合成のない突然変異のヒメダカが誕生しました。
ヒメダカの歴史は長く、品種改良はそうした歴史の中の突然変異によって体色の異なるメダカを人の手で選別しながら繁殖を繰り返し、固定化した特徴のあるメダカを作り出してきました。

遺伝子の法則

メダカの品種改良は突然変異によるものだけではなく、遺伝子にも深くかかわっています。遺伝学のきっかけであるメンデルの法則の「独立の法則」、「分離の法則」、「優性の法則」にのっとって考えられます。

  • 親と親を掛け合わせる
    親となるしっかりとしたメダカを掛け合わせます。そうすると親の遺伝子を持つ子が生まれます。この子供は親の利点や欠点どちらか一方が現れるという優性の法則になります。
     
  • 子と子を掛け合わせる(親を主と考える)
    その子供同士を掛け合わせると、親に似る子(孫)と子に似る子(孫)が生まれます。染色体が分裂して二つに遺伝子が分かれる分裂の法則になります。
     
  • 孫と孫を掛け合わせる(親を主と考える)
    孫と孫を掛け合わせると、親と子のそれぞれの特徴を持った様々な子供ができます。二組の対立する遺伝子が異なる染色体の上で成り立ち、独立して現れる独立の法則になります。

こうした遺伝子の法則を踏まえてメダカの品種改良は時間をかけて行われています。

品種改良されたメダカたち

飼う際の注意点

基本的に品種改良されたメダカも普通のメダカと同じ飼育方法です。ただ混泳させてしまうと、違う種類のメダカが混ざってしまいますので避けてください。品種改良の際に温度等が関係してくる種類もいますので、注意が必要です。

どんな種類がいる?

  • 楊貴妃
    黒色素胞がほとんどなく赤に近いオレンジ色をしています。楊貴妃ヒカリなどオレンジ色にヒカリが入ったものもいます。

     
  • 紅帝
    楊貴妃よりも赤の発色の強い朱色をしています。室内でも色が薄くならず、綺麗な発色のまま変わりません。
     
  • 幹之メダカ
    背中に青白いラメがあり、口先まで光っているものやオレンジ色に光るもの、体内が光るものなど進化し続けるメダカです。マリンブルーメダカは、幹之メダカから黒色素胞を取り除いた種です。

     
  • だるまメダカ
    だるまの様にずんぐりむっくりしている姿がなんとも可愛らしいメダカです。半だるまメダカは、だるまメダカより膨らみの少ない種です。
     
  • パンダメダカ
    目の周りが黒くパンダの様なメダカです。虹色素胞の欠乏によるもので、目の周りと同様に腹部が黒いものが多いです。

     
  • ヒカリメダカ
    通常のメダカと違い、背びれの形が尾びれと同形で背中に独特の輝きを持っています。ヒカリメダカよりピンク色に見え背中が光って美しいのがピンクスーパーヒカリメダカです。

     
  • 天女の舞(ヒレナガメダカ)
    その名の通りヒレが長く、ヒラヒラと天女の様な姿のメダカです。この種の繁殖は難しいです。

     
  • 三食メダカ
    メダカでは珍しい3色の模様で、錦鯉のようなメダカです。次の子供が同じ模様となるとは限らないので、生み出すのがとても難しいメダカです。
     
  • アルビノメダカ
    劣性遺伝、メラニン色素の欠乏によって毛細血管が透けて目が赤く見えます。体表が黒色素胞を含む色になることがないメダカです。

     
  • 朱赤水疱眼メダカ
    目に水疱がある非常に繁殖の難しい希少種のメダカです。

その他にも特徴によって細かく分類されかなりの品種がいます。

熱帯魚の様に綺麗な色のものや、出目金の様に目が飛び出ているもの、ラメのように光輝くもの、体の透けたもの、白色、青色、本当に数々の品種改良メダカが誕生しています。

品種改良メダカは誰でも産み出せる可能性がある!?

方法

品種改良されたメダカは、次に生まれてくる子供が必ず親と同じになるということはありません。まずはどの様なメダカにしたいのか予測することが大事です。親となるメダカは丈夫で発色の良いメダカを選びます。親の体表で子供の体表を予測していきます。
たまたま予測したメダカが突然変異で現れたとしても、その子供が親と同じメダカになることはあまりありません。品種改良は根気よく交配を繰り返し、品種固定率を100パーセントにできたら成功といえます。
しかし、交配を続けていくとメダカが弱ってしまうので交配を続けていくのは3回位までにした方がよいでしょう。

名付け親になれる!?

根気よく新種のメダカを生み出すことができた場合は、そのメダカの名付け親になれます。そうなった時を考えながらメダカの品種改良をしていくのも楽しいです。卵がどの様なメダカになるのか生まれるまで分からないのもドキドキして楽しみです。

まとめ

とても難しく根気のいるメダカの品種改良ですが、誰でも挑戦できるのも魅力の一つではないでしょうか?日本にはまだまだ発見されていない突然変異のメダカがいます。売っている品種改良されたメダカも様々なメダカの掛け合わせや過去の遺伝子が織り交ざっている可能性があるので、たまたま買ったメダカが卵を産んで新種だった!!なんてことも考えられます。そんな未知のメダカの世界はまだまだ広がりそうです。

 

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